十三日目
12/5、火曜日。
会社帰りに『ルポルタージュ』3巻を読んだ。
絵野沢の横顔があまりにも綺麗で、涙が出た。
決めなくていい。まだ決めなくてもいい。
男が好きなのか、女が好きなのか、そのどちらでもないのか。
愛したいと思うのなら愛せばいい(そこには困難もあるだろうけれど)し、愛せないなら愛さないままでいい。
個人の恋愛との向き合い方は、何のルールも、制約もない。他者から決断を迫られるものでもない。本来そういうものだったのだ。
「私達はなぜか 自由な心にふれたとき 自分の心も自由になることがあるーーー」
ルポの言葉通り、私の心も自由になれた気がした。
そして、私は、やっぱり、彼を愛したいと思った。
彼にこの話をしたいと思った。上手くは話せないかもしれないし、途中であきらめてしまうかもしれない。でも、会って話がしたいと思った。
今日のお昼に会社の中庭から見上げた空が真っ青だったことや、お昼ご飯に焼き鳥を食べたこと、お気に入りのブーツがいつの間にか汚れていたこと、取り留めがなくてすぐに忘れられてしまうようなことも、話したいと思った。
そしていつか愛していると伝えたいと思った。